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第二店舗計画
その後、日々売り上げを伸ばしながら毎日が過ぎていく。
安全地帯で置きっぱなしにしている機材は、そろそろ掘っ立て小屋の面積よりも多くなってきていた。
「すみません。マジックバッグの貸し出しって、やっていますか?」
今日も食材を買い込んでから訪れた冒険者ギルドで、何時ものごとく依頼を受けた後に、受付の女性に声をかけた。
「ギルド専用ですのでお買い上げは出来ませんが、金貨十枚で貸し出すことは可能です」
ポーターを三人位雇える値段ですね、解ります。
「それでお願いします。後、安全地帯に自分のお店を出したい場合、誰かに許可とか要りますか?」
「簡易結界等の設置も考えておられるのなら、許可をとっておいた方が無難かと。商業ギルドで簡易結界の販売、又は貸し出しも行われていますよ」
私が出せる予算は金貨二十枚、大分稼げました。
本日も護衛の方とはダンジョン前で待ち合わせにして、私は商業ギルドに立ち寄った。あ、冒険者ギルドで鞄の貸し出しは、見送る事にした。
「すみません。ダンジョン内でお店を出そうと思っていますが、簡易結界等の設置や許可はどの様にすれば良いですか?」
「上の者が担当いたしますので、応接間にご案内いたします」
受付の女性に話しかけると、返事が返ってきて部屋に案内して貰った。
応接間でうろうろ待っていると、秘書らしき女性を連れた渋いオジサマがやって来た。
「ダンジョン内で商売をされる様ですが、間違いありませんか?」
座る間もなく、オジサマがそう言ってきた。話が早いな。
「はい。今は冒険者ギルドで荷運びの依頼を毎回受けています。資金が貯まりましたので、隣に自身の店舗を出そうかと」
「今直ぐ出せる金額は?」
「マジックバッグの貸し出しと、簡易結界等の設置費用含めて金貨二十枚」
「その資金は依頼料金だけで?」
「いいえ。冒険者ギルドで運んだ商品が売り切れた後で、私が間借りして商売をした際の売り上げも含みます」
「一日の平均売上は?」
「毎回、売り切れる度に追加で商品を追加していましたので、今回迄の総売上を日数で割った数字で良いでしょうか?」
「構いません」
「えーと、一週間で割ると・・・約金貨二枚位ですね」
「聞き間違えでなければ、一週間で金貨を十四枚以上稼いだ事になりますが?」
「そうです」
「・・・冒険者ギルド以外に、ご登録はされていますか?」
「いいえ」
「商業ギルドにご登録頂けたなら、簡易結界等の設置費用は此方で持ちます。更に、商業ギルド専用のマジックバッグを金貨二十枚でお譲りしましょう」
わお、太っ腹。痩せてますけれど。書類を秘書が机に置くと退席する。椅子に促されて座り、書き込んでいる最中に戻って来た秘書は鞄を持っていた。
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