終わり

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 「ハーメットからあんたを連れ出したことで、俺は女神の怒りをかってしまった。あんたもだ。神託を無視して、キーリングルを捨てた。だから、俺たちは結ばれてもすぐに引き裂かれた」  「ケレアが焼け落ちた時に、あなたも死んだと聞いたわ」  「あぁ、ダリアンの軍が着く前に、俺たちは自ら死ぬことを選んだ。最後の一人が倒れるまで、俺は何とか盾になって敵の侵入を防いだ。皆の死を見届けて、炎の中に飛び込んだんだ。その時、ハーミアが────あんたにそっくりな女が現れてこう言った。『炎がお前の罪を浄化するだろう。だが、それで全てではない。我を永遠の安寧の地に導け。お前にかけられた呪いが解かれるのはその時だ』そして、俺は奇跡的に生き延びた。しかし、体の半分には火傷の跡が残り、過去の記憶を喪ってしまった。俺が喋れるのはただ一言、"ハーミア"だけ。マラッドで偶然出会ったカルガースが不思議がり、俺を拾った経緯はあんたも聞いているだろう」  「えぇ、それに剣の腕前がいいから仲間に入れたんだって」  「俺はカルガースの用心棒みたいな役回りを任された。まぁ、あの人に護衛なんぞ必要なかったがね」  キーリングルの未来を託されて、炎上するハバラを脱出したカルガースだが、生憎彼にはハーミアの声が聞こえなかった。だから、ハーミアの名を口にするナレン人と出会った時、これは何かの兆しではないかと思い、彼を仲間に入れた。
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