13人が本棚に入れています
本棚に追加
「私にもその光景が見えるわ」
それから、アリアーネは次は今後のことを聞きたがった。
「ゴディウィン、あなたはこれからどうしたい?」
「あんた次第だな。あんたと一緒にいられるなら、他に望むことはない」
「私は────ここにハーミアの神殿を建てて、ハーミアに仕えたいと思うの。本来、私がハーメットでやるべきだったことをここでやりたい思ってる」
「あんたがここにいる限り、ハーマハバラが滅びることはないか」
ゴディウィンは寂しげに言った。
「つまり、ここでハーミアの巫女になると?」
「ハーミアとそれからカルガースが許してくれるのなら、巫女ではなくて神官になりたいの。神官だったら、結婚していても問題ないでしょう」
それから、アリアーネは急に思い出したかのようにゴディウィンに確認した。
「ねぇ。異国の女神に仕えるのって、やっぱり抵抗がある?」
「今さら言われてもね。大体、俺はハーミアの巫女だった女と結婚していた訳だし」
ゴディウィンはここでようやく声をたてて笑った。
「俺はナレンの神々にそこまで未練はないよ」
「よかった。それじゃ問題は一つ解決ね」
◇◇◇
翌朝になって、アリアーネはゴディウィンを伴ってカルガースに会いにいった。カルガースの怪我の具合は良く、周囲か止めるのも聞かずにもうベッドから起き上がろうとしていた。
「大丈夫なの?」
と、アリアーネはカルガースを気遣ったが、カルガースはこのくらい怪我の内にも入らないと豪快に笑い飛ばした。
最初のコメントを投稿しよう!