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「あ、お疲れ様」
「お疲れ様です」
神園課長の10分にも及ぶ大演説の後、すっかりスリープモードに入ってしまった頭を起こすため、自販機に飲み物を買いに来ると、偶然青瀬君と鉢会った。
「新しい課長、ガタイ良いですよね」
何を買おうか迷っている私の隣で、お水を飲みながら青瀬君が言った。
「本当だよね。お兄ちゃんみたい」
「あー……やたらと既視感あると思ったら、それか」
少しげんなりしている青瀬君にくすくす笑いながら、カフェラテのボタンを押す。
がこん、と音を立てて出てきた缶を開けていると、青瀬君が「そーいえば」と思い出したように言った。
「今週ってどっか行きたい所とかあります?」
「あ、うーん……今のところは、すぐには思いつかないかな……青瀬君は?」
「僕も、ここに行きたいとかってのは特に無いです」
青瀬君とお付き合いを始めて二週間。先週は、初めて青瀬君とデートらしいデートをした。
ドラッグストアから少し離れたコンビニで待ち合わせをして(青瀬君が、恥ずかしくてしばらくあのドラッグストアは行けないって言ってたから)、ご飯を食べて、映画を見て、ショッピングモールをぶらぶらした後、解散した。
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