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いつか青瀬君にそんなことを言われる未来が来るのかな? 想像したら泣きそうになってしまった。
「まあ、とは言っても今のところ予定は一切ないです。あんた以上に面白い人がいるとも思えないですし」
お、面白い?
首を傾げていると、青瀬君が「そろそろ出ましょうか」と入口の方を見ながら言った。カフェは私たちが入った時よりも混み合っていて、順番待ちが出来ていた。
慌てて荷物をまとめてカフェを出ると、すっかり陽が落ちてしまっていた。
「うわ、暗」
「わー。もう夜ご飯の時間だねえ」
「うち来ます? 簡単な飯なら作れますけど。ついでに泊まってけば?」
「えっ、あ、良いの? 青瀬君、お友達とのご予定とか無いの?」
「あんたと会うのに入れるかよ。んじゃまあ、あんたの家寄りますか。色々持ってきたいでしょう?」
そう言った青瀬君が流れるように私の手を握る。
お付き合いをする前は私が青瀬君を追いかけるようにして数歩後ろを歩いてばかりだったけど、今はちゃんと隣に並べているのが凄く嬉しくて、くすぐったい。
また緩んできた頬を隠そうともせずに歩いていた時、ふと視線が一点に固定された。
歩く人達を避けるようにしてこちらに走ってくる人物の顔を認識した瞬間、私は繋いでいた青瀬君の手を一瞬で振り払った。
「……おい?」
「おっ、お疲れ様です!」
私の大声に、青瀬君が「は?」と言いながら釣られるようにして前方を見やる。
軽快にランニングをしていたその人が、私の声に気が付いて驚いたように足を止めた。
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