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私が思いつく限りのデートっぽいデートは十分満喫できたから、割と満足はしてしまっているんだけど……この場合、どうするのが正解なんだろう?
私的には青瀬君と一緒に居られれば良いからノープランでもなんでも嬉しいんだけど、青瀬君はきちんとしてるから、ある程度の予定は立てたいかもしれない。
うーんと悩んでいると、青瀬君が口を開いた。
「良かったら、俺んち泊りに来ます?」
「えっ」
か、彼氏のお家なんて初めてだ! しかもお泊りですか!?
こ、ここここれはもしや、アダルトなお誘い的なアレなんでしょうか……? いや、もちろん嫌じゃないんですけども!
「いつもチェックアウトの時間とか気にして、ゆっくりできなかったでしょう? だから普通に家でまったりするのもありかなって」
一気に緊張した私とは裏腹に、青瀬君が邪心のない表情で微笑む。
ぬあ。なんだ、そういうことか。一人で先走っちゃって恥ずかしい。口に出さなくて良かった。
「う、うん、とてもよろしいかと思います……!」
「それに、先週はキスも出来なかったんで」
「ふえっ?」
素っ頓狂な声を上げてしまった私に、青瀬君がさも可笑しそうに口角を上げる。
「はは、期待してました? 分かりやす」
ずばり指摘されて、思わず頬っぺたが赤くなってしまった。
そんな私の顔を見て、また青瀬君が「マジで分かりやすすぎんだろ」と、声を上げて笑ったのだった。
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