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「な、なんか私、誤魔化されてる……?」
「いや、誤魔化してねーよ! なんかこう、付き合ってんのか付き合ってないのか微妙な関係とかもあるじゃないですか。そう言うのもあるんで、ぼやっとしてるだけです」
どうしよう。別世界のお話すぎて全然付いて行けない。
良く分からなかったけれど、とりあえず「そっかあ」と頷いておいた。
私も5人以上10人未満の人とお付き合いしたら、男の人を手玉に取るようなイイオンナになれるのかな。ちっとも想像できないけれど。
「で? 続けて良いんです?」
そんな青瀬君の声に、遠くの方をふわふわ漂っていた思考が急速に引き戻された。
「あ、ごめんね、ぜひぜひ」
「ぜひぜひって」
小さく肩を揺らした青瀬君は、軽く私に口付けた後、唇を首筋に滑らせた。くすぐったさに身悶えしているうちに、私のワンピースの裾から入り込んできた青瀬君の手が、ゆっくりと足を撫でる。
「なんかいつもより可愛いカッコしてますけど、脱がしちゃって良いんです?」
「あ、えへへ、うん。青瀬君とのデートだから、はりきっちゃったんだけど……お家デートなら、もうちょっと楽な恰好の方が良かったねえ。でも可愛いって言ってくれたから、着てきて良かったな」
にへっと笑うと、青瀬君がぴたりと手を止めた。
あれ? と思う間もなく、頬っぺたをぶにっと抓られる。うぅ、なんでだよぅ。いつもの事だけど、タイミングが謎すぎる。
「いひゃいよ……なにぃ……?」
「腹立つな。男転がすの上手くなってんじゃねーよ」
「こっ、転がしてないよ!?」
「素でやってんなら尚更タチ悪いです」
「えええええっ?」
「……ま、他でしないなら良いですけど。ベッド行きましょう。ここ狭い」
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