街の中で

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ピロン♪と音が鳴って、スマホのメッセージアプリを確認するとマグカップを返却口に返してお店を出た。 すぐそこの駅まで戻ると、中高時代からの友達、片瀬(かたせ)真希(まき)がわたしの姿に気付き、軽く手を上げる。 「紗月(さつき)〜お待たせ!ごめん遅れちゃって」 「ううん、コーヒー飲んでボーっとしてたら時間経ってたし。彗たちもう着いてるかな?」 「周司(しゅうじ)は先お店入ってるって。(けい)は今向かってるみたい」 「そうなんだ、じゃあ急ごっか」 真希(まき)に気付かれないようフゥーと息を吐くと、落ち着くどころか余計に心臓がバクバクした。 半年ぶりだ。
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