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会員制の個室レストランに入り、予約した名前を告げクロークにコートを預けると通された部屋で既に着いていた周司がスマホを触っていた。
「おーお疲れ」
真希と同じく中高の同級生、松本周司。
「お疲れー早いね!彗もあと五分くらいで着くって」
「めずらしいな。あいつが大幅に遅れて来ないの。いつも撮影押したって解散間際に来るのに。な?紗月」
「そうだね。今放送中のドラマ、クランクアップが近いんじゃないかな」
手で顔を仰ぎながら言う。
冬なのに顔だけが熱い。
落ち着かなくて手櫛で前髪を整える。
「その様子を見ると相変わらず彗のことが好きなんだなぁ。ここまでくると尊敬するわ」
「そっ、」
そんなことない!と言いたかったけど、ドキドキして落ち着かない様子は第三者から見ればわたしの気持ちはバレバレなのだろう。
本人にはこれっぽっちも伝わっていないみたいだけれど。
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