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「まぁでも空気読んで無理に飲むなよ。悪酔いして誰かさんみたいにタクシーの窓からマーライオンはシャレになんないから」
「ちょっといつの話してるのよ!」
「あれは大学二年の時だったな〜」
周司が腕を組みながらニヤニヤして慧は「やばっ」とケラケラ笑っている。
「紗月が袋持ってるかもってバッグの中探してるうちに真希が間に合わなくてタクシーの窓から吐いて、紗月も臭いでもらいゲロして真希のために探してた袋に吐いたんだよな」
「あれはマジで悲惨だったな。車体ちょっと汚れたからって乗車賃と別に一万取られてさ」
「そもそも終電なくても歩いて帰れる距離だったのに、歩けなーいって真希が言ってさ。タクシー使っても五千円もしないくらいだったのに余計高くついたよな」
「あの頃は俺と真希と紗月が近くに住んでたから、それから家飲みばっかりになったんだよな」
「自分の家に吐かれたら嫌だからって真希の家ばっかりだったよね」
何も言い返せない真希が恨めしそうにわたしたちを睨む。
「てか!まだ飲み物すら頼んでないじゃん!彗が紗月からかうからさ」
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