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望未は足立を部屋に入れて、凍えてしまった体をベッドの中に落ち着けた。
二人きりで無防備な姿を見せたら襲われるのではないかと警戒していたが、足立はそれほど節度のない男ではなかった。
ベッドの横に立ち、体の状態について問いかけてきた足立に、望未は話せる限りのことを打ち明けた。
「それじゃ、この寒さが相当こたえてるわけか。それはどうしようもねぇなあ。ウチもここと同じ状況だし……」
足立は腕を組み、じっと考え込んだ。
「水が出ればどうにかできそうだが……、飲み水を減らすのも心配だもんな」
「あ、水なら、お風呂にためてある」
「なんだ、そうか。用意がいいな。使っていい鍋はあるかい? あとタオルとポリ袋か何か……」
望未は起き上がって、言われたものを集めて足立に渡した。
再びベッドに戻って待っていると、足立がお湯で温めたタオルを絞ってポリ袋に入れたものを持ってきた。
望未はそれをベッドの中に入れ、両膝に挟んだ。
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