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三
足立は自分の部屋から食料など必要なものを持ち込み、望未の部屋に滞在し始めた。
心が広く明るい男だった。離婚して今は一人らしいが、別れた理由は奥さんの不倫が原因だった。
「俺とは正反対の細っこいイケメンでな、そりゃ仕方ねぇわって思ったよ」
「ふふ」
「お、笑ったな? ま、人と人なんて縁が全てだからな」
私達の間にも縁というものがあるのだろうか、と望未は思った。
苦に思う素振りもなく助けてくれる足立は、頼もしい存在だった。
食べ物や水をベッドに運ぶのも、スマホでの情報収集も全部足立がやってくれた。望未はただベッドの中にいて、食事だけしっかりとって、楽しく会話していれば良かった。
夜も望未の部屋のソファで寝てくれたので、不安になることなく熟睡できた。
依然厳しい状況にあることは変わらないのに、心持ちと体調は全く違っていて、足立がいれば何も恐れることなどないように思えていた。
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