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「私、一人で死ぬんだと思ってた。でも、足立さんが来てくれて、灰に埋もれたこんな日々でも、楽しかった。幸せだった。ごめんね、食べ物とか、使えそうなものがあったら、ぜんぶ持って行って。ありがとう、足立さん、ごめん。ごめんね……」 「おい……」  望未は満足そうに目を閉じて、それから意識を失った。 「おい……嘘だろ?」  肩を掴んで揺らしたが、望未はもう目を開けない。 「嘘だろ、なんでだよ……昨日まで元気だったじゃねぇか。エネルギーってなんだよ、そんなことで……嘘だろ!?」  足立は布団を剥いで、望未の胸に耳を押し当てた。  それから急いでベッドを出て、クローゼットからコートを取り出し望未の体に巻いた。そしてマスクを三重につけて、フードをかぶせ、背中に背負って家を出た。  
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