一章 ロイド家の双核「二」

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一章 ロイド家の双核「二」

邪魔者は、去った。自分達が、引き留めていたような気もするが、とりあえず、一仕事終わったのだ。 (それにつけても、呆れるのは、我が妹、セビィ……。) セバスは、未だ、仁王立ちになっている、妹に声をかけた。 「全く、お前ときたら……。」 何も、あそこまで、馬鹿まるだし、能天気エロメイドを演じなくて良いものを。 下手すれば、ロイド家の家名にも傷がつくぞと、言おうか言わまいか、セバスは悩み口ごもる。   少なくとも、セビィのお色気悩殺パワーが、セバスの窮地を救った。あそこで、そんじゃあ、あばよ!なんて事になっていたら、セバスの方が、モンテニューノに泣きつくはめになっていただろう。   ああゆう(やから)は、調子に乗ると、(たち)が悪い。 おう、そんじゃあ、俺の(けつ)でも舐めてもらおうか。なんて、戯言を言われるのが落ちだ。 それこそ、セビィの(けつ)どころの騒ぎではなかったろう。 あんなオッサンの、毛だらけ、イボだらけ、ついでに灰だらけの(けつ)など、見るだけでもおぞましい。 (覚えてろよ、モンテニューノ!) 逆ギレ、セバスは、ぐぐぐと歯を食い縛り、鬼の形相を見せた。
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