一章 ロイド家の双核「二」

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体制に逆らう行いをした者は、一族もろとも、反逆罪に問われる。 首謀者か、否か、で、受ける罪は変わってくるが、概ね、絞首刑と決まっていた。   金融経済に代表される、新しい概念と変化からか、近頃、新しい思想を持った者たちが台頭しているという。    誰しもが幸せになる理想郷を造るという大義名分を掲げ、民達を煽動し、現体制を崩す事で己の欲望を満たそうとしているようだが、ここソルベニウス王国は、農業立国。牧歌的風景に似合った穏和な国民性のためか、他国のように、荒れた話は、まだ聞かれない。 ただ、セバスが産まれた頃のように、飢饉状態に陥れば、どうなるかは、分からないが……。 せっかくの、平和を崩そうとしているのか??もしや、これは、泣き落としプチ革命?!   だとすれば、由々しきを越え、流石のセバスでも手に負えない話になる。 早急に、目的と、要求を聞かなければ、ロイド家どころか、この国の命運までも危うくなるのではなかろうか。   セバスの面持ちが、険しくなる。     ソルベニウス王国の明日が、セバスにかかっているのだから──。    
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