20人が本棚に入れています
本棚に追加
体制に逆らう行いをした者は、一族もろとも、反逆罪に問われる。
首謀者か、否か、で、受ける罪は変わってくるが、概ね、絞首刑と決まっていた。
金融経済に代表される、新しい概念と変化からか、近頃、新しい思想を持った者たちが台頭しているという。
誰しもが幸せになる理想郷を造るという大義名分を掲げ、民達を煽動し、現体制を崩す事で己の欲望を満たそうとしているようだが、ここソルベニウス王国は、農業立国。牧歌的風景に似合った穏和な国民性のためか、他国のように、荒れた話は、まだ聞かれない。
ただ、セバスが産まれた頃のように、飢饉状態に陥れば、どうなるかは、分からないが……。
せっかくの、平和を崩そうとしているのか??もしや、これは、泣き落としプチ革命?!
だとすれば、由々しきを越え、流石のセバスでも手に負えない話になる。
早急に、目的と、要求を聞かなければ、ロイド家どころか、この国の命運までも危うくなるのではなかろうか。
セバスの面持ちが、険しくなる。
ソルベニウス王国の明日が、セバスにかかっているのだから──。
最初のコメントを投稿しよう!