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セバスが衝撃を受けている側で、三人組は、先ほどまでの号泣は何処へやら。今度は、もめにもめ始めていた。
「おめぇ、セバスさんに、何逆らってんだ!」
「あ、あっ、違う、違うって!マイクの兄貴~!俺っち、逆らってなんかっ!」
パコーンと、褐色の肌の男──マイクに、チビと呼ばれた小柄な男が頭をこずかれる。
「おい、二人とも、よさねぇか!」
と、いさめに入る、黒髪の男──馬番頭のジェームズ。
この騒ぎに、ふと我に戻ったセバスは、己の妄想力に呆れ果てた。
よりにもよって、自分が仕切るロイド家で、国家転覆の策略が巡らされるなど、あり得ない。セバス本人が、企てるなら、有り得るかもしれないが、仲良し馬番三人組に限っては、この始末で、どうやって、悪事を働く事ができるだろう。
「うーん、君たち、何か誤解しているようだな」
騒がしさが鬱陶しく、そろそろ、お開きにしておくかと、セバスは口を開いた。
「特に、そこの若人、ロイド君!」
名前を呼ばないとゴチて来た、小柄な男へ向けて、セバスは、ビシッと指を差す。
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