一章 ロイド家の双核「二」

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「えっ??!お、俺っち?!」 小柄な男は、セバスの睨みに、息を飲む。 すかさず脇から、 「セバスさん!こいつぁ、悪くねぇ!!!」 と、マイクが庇いに入る。 「セバスさん!すみません!」 と、馬番頭の責任と、ばかりに、ジェームズが頭を下げてくる。 「だから!とにかく、人の話を聞きなさい!」 三人の、庇い合いループを絶ち切るべく、セバスは、思わず、セビィを呼んだ。   結局の所、本人がどう思おうと、世間の評判は正しくて、二人揃って、ふ、た、つ、ば、し、ら、なのだった。 「やだぁ、何、これ。何で、皆、地面に座り込んじゃってんの?」 セビィの登場に、三人組は、顔をほころばし、 「セビィさん、座り込んじゃってんじゃなくって」 と、ジェームズ。 「土下座っちゅうもんですよ」 と、マイク。 「えっと、男のケジメっス!」 と、チビこと、小柄な男。 「そんなこと、どうでもいいから。お兄様が喋ってるでしょ?ちょっと、黙んなさい!」 セビィの無関心この上ない、いわゆる塩対応に、三人組は、ビシッと背筋を伸ばして、はいっ!と大きく返事した。 「じゃっ、お兄様?」 続きを話せと、促すセビィの迫力に、もしや、こいつが、本当の黒幕?と、セバスの妄想力が、再び発動された。
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