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「じゃあ、そこのロイドに、お嬢様付き担当させたら?」
セビィの一言に、場の空気は固まった。
鳩が豆鉄砲を食らった。まさに、その言葉通りの顔をした、三人組とセバスがいる。
「だって、ロイドは、セビィの尻だけ、追っかけてるのよ?お嬢様に、手を出すなんて、考えられないわ。まっ、安全パイってことね」
尻って、セビィ、お前……。と、言いかけ、セバスは、思う。
確かに。安全第一。どんなに、馬の扱いが上手かろうと、お嬢様に手を出すような者では、話にならない。
お嬢様付になれば、一緒の時間が増えてくる。自然、情も沸いてくるだろう。
それが、主と使用人の信頼関係で終われば良いが、まかり間違って、そのまま馬車で駆け落ちでもされたら始末に負えない。
まだ、それなら、引き離す、という方法があるが、お嬢様のヒモ男になり下がり、小銭をせびっては、場末の酒場へ入り浸って、「はあ?金がねぇだと?そんじゃあ、てめえの女に稼いで貰おうか」などと言われるまま、ホイホイと、お嬢様を売り飛ばすようでは、もっと困る。
ここは、ロイドで手を打つのも、あり、だろう。
セビィの尻を追っかけている、と、いうのがいささか気になるが、お嬢様には、目もくれないということだ。
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