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「うるせぇーなぁ!こいつが、勝手に人の膝の上に座り込んでんだろうがぁ!早く、どけっ!」
ジョンは、鬱陶しそうに、セビィの肩を掴むと、自分の膝から、滑り落とすかのように、押しやった。
勢い、バランスを崩したセビィは、そのまま、床に這いつくばるように転がり込んでしまう。
「い、たぁーー!」
このジョンの乱暴な行動に、店の中にどよめきが沸き起こった。
「うわぁーーー!セビィさんに、手を挙げたぁーー!」
マイクがすかさず、頭が割れんばかりの大声を挙げ、皆を煽る。
同時に、非難の眼差しが送られたが、ジョンは、びくともせず、薄ら笑いすら浮かべていた。
「けっ、何だっていうんだ。どいつもこいつも、睨めば終わりかよっ!!」
悪態をつくジョンに、腹の虫が収まらないと、皆は、さらの睨み続けた。
「あーあ、馬鹿らし。そんだけ群れてて、何にもできないのか。情ねぇやつらだなぁ」
ジョンは、余裕しゃくしゃくで、再び、グラスを傾けた。自分に向けられる視線など気にもせずに。
ダン!と、勢いのある音がして、悪態をつく、ジョンの姿が消えた。
セビィが、カウンターの上に登り、ジョンの顔面を蹴りあげたのだ。
突然のことに、油断したジョンは、イスから転がり落ち、床に倒れこんだ為に、皆の視界から消えたように見えたのだった。
「ジョーダンじゃあないわよ!よく見りゃ、ちょいと、男前だからって、いい気になりやがってさっ!人の尻さわるわ、肩を抱くわ、挙げ句、押し倒すたぁ、どうゆう、領分よっ!」
「なっ?!」
セビィの勢いに、ジョンは、言葉がでない。いや、あれだけ、顔面を蹴り倒されては、しゃべることもままならないのだろう。かなりの、ダメージを受けているようで、ジョンは、床に座り込んだままだった。
セビィの蹴りが入った時に、切れたのか、口角にはうっすら血がにじみ、そうして、鼻の辺りをひたすら庇っている。
「馬番三人組、縛りあげなっ!」
セビィの命令に、三人組は、どこに仕込んでいたのか、ロープを持ち出すと、ジョンの体をぐるぐると縛った。
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