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「なっ!それじゃあ、お宅ら、双子っ!」
「はい、そうですけど、何か?」
少しばかり、冷たい響きを含むセバスの返事が耳に入っているのかいないのか、モンテニューノは、興奮のあまり、顔を真っ赤に染めて、セバス兄妹に迫った。
「いやぁーー!双子、それも番たぁーおそれいった!こいつぁ、縁起がいいやっ!」
この国に限らず、双子という存在は、数少ない。
注目を浴びる宿命を背負って産まれたとも言えるのだが、男と女の組み合わせは、これまた希少なのだ。
お陰で、モンテニューノが言ったように、番だのと、家畜扱いする者もいる。
さらに、縁起物だとか、露天商の客引きかのような言葉を吐く者もいる。
セバスとセビィは、慣れっこだったが、やはり、不快感は脱ぐえない。
嫌な思いをしないよう、できるだけ、双子の兄妹ということは伏せていた。
「はあ、そりゃ息もぴったりな訳だわ。二つ柱と言われるのも、納得だ!」
モンテニューノの、饒舌は、これでもかと増していく。
──二つ柱。
世間では、二人の事をそう呼んでいるらしい。
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