一章 ロイド家の双核「一」

6/13

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
表方を仕切るセバス。裏方を仕切るセビィ。二人合わせて、二本の柱──。 で、二つ柱、と言うことらしいが。 「まあ、できましたら、二つの核、双核(そうかく)と、呼んで欲しいものですがねぇ」 セバスは、苦笑う。 さらりと、しれっと、はたまた、引きつる笑顔を見せているということは、明らかに機嫌が悪い証拠。   二つ柱は、不味かった。 せめて、柱で、止めて欲しかった。 それだと、セバス一人の力と言える。そうゆう、上下関係にもセバスは敏感なのだ。 何よりも、なんですか?ふ、た、つ、ば、し、らと、言うあか抜けない響きは。   兄が機嫌を損なうのも、頷ける。と、セビィは思う。   ここは、何とかしないといけない。 何故ならば、この不機嫌さは、倍になり、後でセビィへ向かってくるのだから。 全く、良い歳こいて、いじけるなよと、セビィの心の内は荒れている。 「やっだぁ!親方ちゃま!あたしが、柱?えー、そんなぁー。柱みたいに、丸々してるのかしらん?」 これも、兄をなだめるためと、セビィは、モンテニューノに向かって、なよなよとしなを作った。   お色気たっぷりどっぷりの視線が自分に向けられて、モンテニューノの顔は、すぐに、とろけきる。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加