プロローグ

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プロローグ

 あの時の声は未だに脳裏の奥に刻まれ、深い眠りに落ちた時ほど、何かの弾みで思い出される。 『ようこそ!この合宿へ・・・』 『君らは5人一組で一つの部屋。つまりルームメイトとしてこれから半年を・・・』 『合宿中、勝手に抜け出すことは許されない!万が一、そのような事が発見された場合、連帯責任として罰を与える!』  それは色の無い、真っ白な光の中に黒い影がいくつも動いている夢。  黒い影の男が叫んでいる。その周りにいるのは誰なのか? 『おめでとう・・・』  その言葉には意味は無い。そう感じさせるのは、言っている本人に感情がこもっておらず、むしろ冷ややかさが感じられた。  その冷ややかで冷たい『おめでとう』という言葉を何度聞いたか。
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