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エピソード 0‐1
眠りから覚めた実咲は、暗い闇の中を手探りで台所まで行くと、目についたグラスを取り、勢いよく水道の蛇口を開き、グラスに冷たい水を目いっぱい注ぐと、一気にのどを鳴らしながら飲んだ。
空になったグラスを暗闇の中で見つめる。
グラスに光が反射した瞬間、夢で見たことがフラッシュバックで思い起こされる。
『ガンマ・チームから、脱走しようとした者がいる・・・。これは非情に残念なことだ。私があれほど、抜け出そうと思うなとキツく言ってきたのに・・・。さて、連帯責任で他のメンバーにも罰を与えないと・・・。ガンマ4!脱走しようとしたガンマ3を、これで殺れ!』
黒い人影が何か黒光りする物をガンマ3と呼んだ少年に渡そうと手を伸ばしている。しかし、ガンマ3と呼ばれた少年は首を激しく左右に振り、嫌がっている。
『なんだ・・・?出来ないのか?』
黒い人影の男は差し出した手を引くと、手にしている物を持ち替えると、『情けない・・・』と呟いて、ガンマ4に向けて、引き金を引いた。
聞いた事の無い鈍い火薬の破裂する音と共に、ガンマ4の頭が砕け散った。
『これだけじゃない・・・』
ガンマ3とその他、ガンマ・チームの少年少女達に黒光りする物が向けられた。そして、鈍い火薬音が続けざまに発せられる。
メンバー4人の足に一発づつ弾丸が撃たれ、傷ついた個所から赤い血が流れ出る。
なぜか、そこだけは色がついていた。
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