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「啓太。今週の金曜日に学校が終わってから、百合ちゃんが家に遊びに来るからね」
母ちゃんは日曜日の夕飯時に、突然言った。
「 百合ちゃんって? 何処の百合ちゃんが?」
百合ちゃんという名前が出た瞬間、胸がドキッとした。
「何、と惚けているんだよ。お前と同級生で同じクラスの百合ちゃんだよ。お前より百倍顔が美しくて、お前より百五十倍頭が良くて、お前より二百倍性格が良い、学校中の憧れのマドンナ、超美人の百合ちゃんだよ。百合ちゃんがクラスの委員長で、お前は一応クラスの副委員長なんだろ、何知らばくっれているのよ」
白鳥百合…ちゃんは、財閥家の娘だ!
母ちゃんが女中頭として長年勤めている巨大老舗旅館のお嬢さんで、一人娘だ。
母ちゃんは、百合ちゃんが幼い頃からの世話係だった。
白富士家は他にも、最近ビルに改造した中に映画館を経営したり、書店や餃子チェーン店までも経営している。
白富士百合は、都市に発展している此の地方の中でも、一、二を争う財閥家の娘だ。
- 其の 白富士百合が、何で此のボロ屋に遊びに来るんだ!? -
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