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「おい……そろそろ起きて準備しろ。念のため,鎮痛薬と解熱剤,それからこの薬ももう一回飲んどけ」
全身を激しく殴られたような痛みが走り,脚を少し動かしただけで肛門と膣に焼けたような激痛が走った。
裕翔が痛みで開けられない彌生の口に薬をねじ込み,ドリンクバーで持ってきたお茶で流し込んだ。
「顔は大丈夫だ。見た目はそんなに変わってない。こらならいける」
「ふざけんな……あいつらの相手は……二度としないからな……」
裕翔は満足に口を開けられない彌生が口元から血を垂らしながら悪態をつくのを見て,ピアスのぶら下がる歪んだ口元を微かに動かし微笑んだ。
「お前のその強気なところはマジですげぇよ。こんな面倒臭せえ宿題,本当だったら拒否ってたけどな。マジでこんなクソみたいな状況,まっぴらごめんなんだけどな」
どこで手に入れたのかわからない薬はやけに効果があり,寝る前に飲むとやけに心地のよい現実とはほど遠い夢がみれた。そして薬が効き始めると,股や肛門の焼けるような痛みが薄れていった。
「こんな無茶な予定を立て続けに入れて……裕翔,あんたバカなんじゃない……」
「次のジジィどもは大丈夫だ。ゲイのジジィ二人が絡んでるところをお前は黙って見てるだけでいい。それで金を貰える楽な仕事だ」
両腕の肩の下と両脚の太腿の付け根にぐるっと輪を描いているようにタトゥがない場所があり,裕翔は唯一素肌が見えるその場所を無意識に掻いていた。
裕翔はカリカリと音を立てながら,その部分を掻きながら彌生を見た。
「早く準備しろ」
「……あんたのこと,絶対……信じないから……」
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