追うモノ

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 後部座席で横たわる彌生は,時折り聞こえてくる単語からゲイのジジィ二人にされたことを思い出していた。  裕翔に連れられてSMホテルと呼ばれる特殊な道具が取り揃えられたホテルに行くと,小柄な老人が二人,狭いロビーで待っていた。  三人で部屋に入ると彌生は二人掛けのソファに座らされ目の前で老人二人が絡み合う様子を黙って見ていた。  驚いたのは,二人とも大人用のオムツを履いていていた。  老人二人は抱き合いキスをしながら涎を垂らし,お互いのオムツを脱がせてだらしなく垂れ下がる陰茎を嬉しそうに口に含んで舐めあった。  その姿はお世辞にも綺麗とは言えず,内臓が飛び出しているのではないかと心配になるほど真っ赤に腫れあがった肛門にお互いが手を出し入れしたり,舐め合ったりしていた。  ここまでは裕翔から言われた通り,黙って見ているだけだったが途中から二人がカバンから取り出した機械の設置を手伝わされた。  シンプルな黒い箱に昔の自動車のメーターのような目盛りがついていて,ダイヤル式の調整ボタンのようなものが取り付けられていた。  箱から出ているコードをコンセントに差すと,甲高い音がし,すぐに低い音へと変わった。細いケーブルのようなものを二人がそれぞれ陰茎に貼り付けて横たわった。
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