眷属なるモノ

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 富岡の首が地面に落ちると同時に散歩がやっとのはずの老犬が真嘉内の首に噛み付き,喉仏を喰い違った。 「ああ……先輩……なんか,俺……人間じゃないみたい……だ……」  首の肉を半分近く失い,噴水のように血を噴き出しながらゆっくりと崩れ落ちたが,その目には喜びが現れ真嘉内は微笑んでいた。  そこでようやく山本が目の前の状況を把握したが,この一瞬に起こったことに一切反応できなかったことにも驚いた。 「真嘉内……なにが起こった……なんで,富岡の婆さんを……?」  喉から激しく出血する真嘉内は,微かに口を痙攣させて呟いた。 「あの……婆さん……俺を見て……鬼だと……」  地面に血が拡がり,辺り一面を鉄のような臭いで覆った。喰い千切られた首からは泡と一緒に血が噴き出し,見る見るうちに青白く変色していく肌を見て山本は激しく勃起した。  変色して弱々しくなってゆく真嘉内の姿が愛おしく,抑えきれない性衝動に混乱した。頭が真っ白になり,抑えきれない勃起した陰茎を力強く握り締め倒れた真嘉内に近づいた。 「ああ……なんて美しい……お前のその異形の姿……なんて美しいんだ……」  月明かりで白く照らされた真嘉内の姿を見て抑えきれない欲求がドクンと音を立てて山本を飲み込んだ。  意識を失い反応のない真嘉内の服を乱暴に剥ぎ取ると,山本は獣のように真嘉内を犯した。それは犯すというよりも壊すといった表現が正しく思えるほど激しく乱暴だった。  無意識のまま乱暴に犯される真嘉内の身体は鋭い爪に引き裂かれ,傷口を舐め回す山本の舌が傷を拡げて奥へ奥へと挿っていった。  何度も何度も意識のない真嘉内の中に射精すると,山本の身体もその度に大きくなっていった。
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