眷属なるモノ

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「くそっ……くそっ……くそっ……。なにをやってんだ,俺は……」  疲れ果て,ようやく気持ちが追いついてくると,目の前に倒れている真嘉内がまるで大型車に引き摺り回されたかのように手脚が千切れ,肛門から内臓が飛び出した状態で痙攣している姿に自分のした残虐な行為にショックを受けた。  脱力して腰をつく山本の前で,真嘉内の筋肉がゆっくり盛り上がり,血管が激しく脈打った。地面に横たわる肉体が時間をかけてゆっくりと姿を変え,千切れた手脚を修復し,内臓がズルズルと砂やゴミをくっつけたまま体内へと引きずり込まれていった。  切り刻まれた真嘉内の身体はウネウネと動きながら再生を始めたが,目は白く濁り,口は大きく避けたまま涎を垂らしていた。  内臓が体内に戻ろうと引きずられているとき,近くに倒れていた富岡と犬の身体も巻き込まれるようにしながら真嘉内の体内へと吸収されていった。 「真嘉内……お前,生きてるんだよな……」  破れた肌が元に戻り,山本が見ている前で傷が消えていった。濁った白眼が真っ赤に充血すると,黒目がギョロギョロと辺りを見回した。失った左腕は,そのままで再生はされなかったが傷口は綺麗に消えていた。 「せ……先輩……」  裂けた口元が元に戻り,滑舌も滑らかになっていた。 「真嘉内! お前,生き返ったのか!?」 「先輩……まさか先輩に犯されるなんて,警察官になって,こんなことになるなんて,想像すらしてませんでしたよ……」 「いや……それは……俺もなんか,よくわからなくて……後輩を犯すなんて……いまだに信じられないというか……」 「俺……初めてだったんすよ……オケツ犯されるの……」 「いや……マジですまん……俺も初めてだ……」 「ほんと,先輩,乱暴すぎっすよ」 「ほんと,すまん……」 「それにしても,先輩にめちゃくちゃにされてる時,すっげぇ〜懐かしい,楽しかった思い出みたいなのをずっと見てましたよ……」
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