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古株特上湾岸署
橋爪にとって夜のドライブは久々だ。小さい頃からクルマ好きだったが、パトカーをカッコいいと思ったことはあっても、乗るハメになるとは思っていなかっただろう。
車内で虫が鳴いている。グーしか言わない腹の虫が鳴いている。橋爪のエコバッグの中では食材がしびれを切らせ、豚バラ肉は腰をくねらせ相棒のキャベツを誘惑していた。
「着きました」
岸はクルマを停め、橋爪はクルマから降りて湾岸署の建物を見上げた。高層ビルが建ち並ぶ街並。ネオンが街をお洒落に彩り、カップルに合いそうな場所。橋爪の警察署デビューだ。
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