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そんな和やかな雰囲気で調子良くクルマを走らせ、あんなに光り輝いていたビル群から少しずつ遠ざかる。何か手土産でも忘れたような淋しい気分だ。そんな折、交差点で一台の不審車両を発見する。
「あれ。あのクルマ、何かおかしいですね」
「ん?」
「前のクルマにピッタリくっついてるような」
信号が青に変わると、先頭の赤いクルマが走り出す。その後ろをピタリと張りつく青いクルマ。岸らは斜め後方からそれを見ていた。
赤いクルマが加速を始め、四十キロ道路を五十キロ超えで走る。青いクルマもスピードを上げて、ピタリと前のクルマに張りついた。
「やっぱりあおってますよね。アイツ」
帰り道にあおり運転車両を見つけた岸。赤いクルマが左車線に寄ると青いのもついていき、ブレーキをかけるタイミングによっては青いクルマに追突される危険性もある。
「危ないな。ちょっと注意しますか」
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