帰り道

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「あー。もう二郎も太郎も閉まっちゃいましたね。どうします?」 「橋爪くん。悪いね、こんなとこまで連れ回して。しかしこれが警察の仕事なんだ」  ……にしたって、橋爪には何の関係もない。  抽選会場から思うと、ここは数十キロ離れた場所。ミステリードライブは、煌びやかな湾岸署から潮の香りがする月並へ。もういい加減帰りたいと疲れをみせる橋爪は空腹を通り越し、食材はエコバッグの中で眠っていた。  翌朝。橋爪は布団の中で、湯上がった海老のようにクルンと丸くなっていた。意表をついた昨日の出来事に疲れが溜まったのか、お昼近くになってようやく目覚める。 「あー、もうこんな時間。いけね、コンビニで光熱費を払いに行くの忘れた。期限がーー」  昨日が払込期限の電気代。口座引き落としの手続きが面倒で、毎月何かのついでに払っている。
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