真夏のサンタクロースが届ける、安眠レンタル枕

プロローグ

　サンタクロースの冬は大忙し、そのため夏にはたっぷり休暇を取ります。そんな彼が、今、丁度日本へと立ち寄りました。人間の目には見えないトナカイのソリから降りたサンタクロースは、小さなメモと大きな枕を四つ手に夕刻の街へと降り立ちます。

「リンリンリン――」

　トナカイが首を振り鳴り響く鈴の音――、それは魔法がかかる合図。
やがてサンタクロースは、スーツ姿の長い白髭を伸ばした老人へと姿を変え、メモに綴られた人間の元へと姿を現すのでした。