32話 憲子とてっぺん

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32話 憲子とてっぺん

憲子は久しぶりにてっぺんに来ていた。 ここから観る景色は、殆どが街の色。 それぞれの家から溢れるような光が、妙に落ち着く。 わが家だけじゃないんだよな。 皆、生活がある。人間らしい何かを感じながら ぼーっと出来る。 夏の夜中の空気は割とヒンヤリだ。。 でも、気持ちがいい。 豪憲 「本当に好きだよなあああ。。感心するわあ。」 憲子 「あははははははは。バレたか? 笑笑笑」 豪憲 「憲子!! 聞きたい事があるんだろ?  きちんと答える。話したいから来た。」 憲子 「 怒らない? ウザくてもいい?  」 豪憲 「 ただ1つだけ、条件がある!?  」 憲子「       なに?  それ?」 豪憲 「 別れないよ。。  俺は。。     」 憲子 「     嬉しいな。。       」 豪憲 「 さあ。 質問して?        」  憲子 「相澤さんは彼女?         」 豪憲 「中1〜中2の約一年ちょっとだけ彼女だった。」 憲子 「  どうして? 別れたの?     」 豪憲 「 お婆ちゃんが亡くなってさあ。。俺の周りには頼りにしたい大人が一人も居なくて。 自分には大人の人が必要だったから。  恋愛より、先ず、俺が頼りたい大人が欲しかった。 ばあちゃんが。手紙をくれたんだ。。 亡くなる少し前に憲一さんへの手紙を。。  嬉しかったんだあ。。 凄く凄く。 会ったら、それはそれで、俺が嬉しかった。」 憲子 「 相澤さんはきっとね? 豪憲を好きな気がします。 どうして、付き合わないの?」 豪憲 「 うん。好きじゃないから。。俺の中でとっくに終わってた。 そして、始めてこの家に来て憲子と出会った日。ヤバい位に憲子にハマった。 嘘みたいに。。 自分だって驚いたよ。。人を好きになる瞬間に。 憲子が泣きながらこの家のてっぺんに居て。 で  泣きながらおにぎり食べてるから。。 ヤバくね? あの時に、気持ちが持ってかれた。」 憲子 「え!! えええええええええええ?! 知らなかったああああああ。。笑笑笑笑笑笑」 豪憲 「  ダヨネー。笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑 せやからさあ。 俺と、田舎で暮らす云うてくれた時、めっちゃ嬉しかってん。。 あの、実家で、憲子と二人暮らしは、、、、 ヤバい位に嬉しかったんよ?  俺は。。。笑」 憲子 「知らなかったよなああああああああああ」 豪憲 「めっちゃ、夢みてもうたがな。 どないしてくれはる? 俺は、憲子がむっちゃ 好きなんよ。。  責任とってぇやぁ。。」 憲子は相変わらず、魚が反り立つ、尾鰭をつかんでた。。。ジワリジワリと手汗が滲む。。。 憲子 「   豪憲の、方言は、、、いつから?」 豪憲 「あははは。今更かぁ?ホンマにのんびり屋さんやなあ? 俺は、小3迄関西人。。 小4から関東に引っ越してきたんや。 なんやあ。お婆ちゃんが関東に住むて、粋なりなあ。。たぶんな。。。たぶん、会いたくて仕方が無い人がおったんや。。。 俺の両親はあ。。俺が。産まれて直ぐに事故で亡くならはってん。。。。。。。 やから、知らんのよ。。。。。 どうゆう人柄か、よぉ知らん。 アルバムがあって。。。それしか分からん。。。」 憲子 「    そっかあ。。。 苦労した?   」 豪憲 「いや。それが、あんま、苦労?してないわあ。  兎に角、お婆ちゃんが元気でさあ。。 友達もおったよ。。 せやけど、、みいんな歳行き過ぎて。。 笑笑笑笑笑  頼むわけにはいかへんやんか? たぶんな?  やからあ、手紙を俺に託したんやわぁ。。。」 憲子 「 豪憲。。。私が貴方と幸せになりたいよ? いつか、私に、あなた毎守れるような、女になるから!! 待ってて?  くれる? 今の私はまだまだだからさあ。。」 豪憲 「めっちゃ嬉しい。  言質とったで? 笑笑」 憲子 「 豪憲の方言、、、ステキね。。教えて下さい。」 豪憲 「うる覚えなんやわあ。。。忘れたくない。。笑 両親もぉ。ばあちゃんも、、話してたはずやからさあ。。」 憲子 「 豪憲。。。私、自信を持つわあ。。それは、きっと必要だから。。笑笑笑」 豪憲 「 うん。。 彼女は憲子!!お前しかおらんよ? 俺がお前を好きなんや。。。離さへんで。。笑笑」 憲子 「  う!  うんん。。。 わか。 分かった。」 憲一 「お前らよ〜。話し長い。。つーか、普通に、部屋で話せよ ハァックション!?」 豪憲 憲子 「 びっくりしたあ。。  笑笑笑笑笑笑」 豪憲「 いちさん!」 憲子「お父さん!!」 二人「聞いてたの!! 恥ずい〜〜〜」   憲一 「いや。。随分、青春しているね?ハァックション。  さむ〜。。」 憲子「涼しくない? 夏だよ? 笑笑笑笑笑」 憲一「 いや。。案外 ヒンヤリだよ?笑笑笑 お前ら〜。なんか、良いじゃん。。 お前等の年の頃からだよ?俺が妃香里と付きあったのは。。 懐かしいなあ。。ハアックション。」 憲子(聞いてもないのに、、語り始めたよ?) 豪憲(聞いてもないのに、なんや?どないした?) 憲一は、粋なり現れて、粋なり妃香里との高校時代を語り始めた。。誰も聞いてもないのに。。。
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