episode夏 向日葵

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「あ、もしかして七海、岡崎翔太のこと気になっちゃった?」 「そ、そんなことないって。良い子だなって思っただけで」 「へー。そっかそっか」  りっちゃんがニヤニヤした顔で七海を見つめてくる。 「もうっ!りっちゃん!」 「そんなに怒らなくてもいいのにー」  りっちゃんが肘で七海をつつく。顔もさっき以上にニヤニヤしている。 「あんなの好きになる訳ないじゃん!チャラいしイケメンじゃないし」 「でも、本当は?」 「りっちゃんには関係ないじゃん!」  七海はそう言って顔を机に伏せた。  本当は少し気になっちゃったなんて恥ずかしくて言えない。好きになりそうなんてもっと言えない。りっちゃんにそんなこと言える訳ない。  でも、心の中では何度だって言う。  私は、向日葵のように明るくて元気な君に恋をしちゃったんだって。  今が過去の恋になるその時がくるまでは君だけを見つめていたい。
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