天井の蛙(てんせいのあ)

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   今日のお昼頃。私は会社で退職願を出した。  上司も予想していたのだろう、特に驚いた様子もなく受理されて、二つ三つ、当たり障りのない会話をした。  いざ辞める日が決まると親しげな笑顔を向けてくるのは、もう内部の人間ではなく、外部のものだと判断しているからかもしれない。  慣れない定時退社となった帰り道は、新鮮ではあるが、どこか頼りなくもある。就職のために地元を離れたときと同じで、地に足がついていない感じだ。  生活を支えていた仕事を手放すのだから当たり前といえばそうなのだが、加えて落ち着かないのは、罪悪感のせいかもしれない。  途中で辞めることが良いことだとは、両親も学校も、ついでに言うとお天道さまも教えてはくれなかった。  私は今、悪い子なのかもしれない。  
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