天井の蛙(てんせいのあ)

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   私が仕事を辞めると決めた日も太陽は律義に東の空から昇ってきたし、残業して夜中に帰った日も、太陽はきちんと西の空へ帰っていったと月が教えてくれた。  同じことを続けるのは、とても大変なことなのに。  今日はお先に失礼しますね、と目線を上げて、夕陽になった太陽に話しかける。  毎日えらいね、と伝える。  空は、先ほどよりもさらに赤みを帯びていた。  照れているのかな。もしくは、月と交代する前に、太陽はもうお酒を飲み始めているのかもしれない。  朝陽が赤みを帯びているのは、きっと、毎日が二日酔いだからだ。意外といい加減なのかもしれないと思うと、太陽とも仲良くなれそうな気がした。  
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