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店主にその事に対して文句を言うと、拙い英語で
「もう注いだのだから、金は払ってもらう」
という具合のことを返された。私は仕方なく金を払い、ビールを受け取った。私は蠅の止まった箇所の反対側から口をつけ、牛串を食らい、ビールをあおった。この頃には陽もだいぶ傾き、露店の半分程は灯りをつけていた。その白熱灯には、何匹もの蠅が飛び回っている。
更にわたしは歩みを進め、露店の集団の端の方へ来た。そこでは、装飾品などを売っている店が多かった。
あまり物色すると面倒な客引きに引っかかりそうだったから、私は其処を早く立ち去ろうとした。その矢先、ある店の主人に声を掛けられた。彼の話す英語は、この国に来て一番強い訛りだった。が、店先には魔術的に思える装飾品や置物、図面が並べられており、それが私の興味を引いた。
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