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山西 俊輔(やまにし しゅんすけ)40歳。独身
本職はカメラマンではあるが、ライターの仕事も請け負っており、気まぐれに旅に出てしまうような…翼の元同居人。だった。
「翼~!元気だったか?」
「っ俊輔さん!?はぁ?いつ帰ってきたの!?」
「さっきさっき!真っ先にお前に会いに来た♪…で?
俺の部屋の鍵は??」
「・・・ 知らないよ。あのねぇ、あの後大変だったんだからね!?俊輔さん出て行った後、俊輔さんの彼女だって人が乗り込んできてさ、完全に僕のこと女の子と勘違いして、このビッチが~!って…追い出されたよ…」
あの時の謎の修羅場を思い出し、ズンっと疲れを感じる。
「あ〜ははっ!マジ!?翼がビッチ!?ウケる!え~
じゃあ俺の部屋どーなってんの? お前どこにいんのよ?」
「だから、知らないって。おかげで僕は…まぁ、知り合いのうちにいる」
そう言えばそうだ。
あの意味不明な出来事がなければ、今、栞と一緒にいることもなかった。
栞にこれほど…ハマってしまうことも。
「おかげで毎日、苦しんでるよ…」
俊輔のノー天気な笑顔にイラつきを覚えた。
「ま、いっかー。直接部屋行ってみるわ!」
行き当たりばったり。という言葉は俊輔のためにあるような言葉だ…。
翼の隣に肩から提げていた大きなバッグを置き、んーっとひとつ伸びをする。
「 そんで?お前は何悩んでんの?」
「え?」
「ほら。浮かねぇ顔してんじゃん?」
そう言って首から提げたカメラを翼に向け、カシャカシャと適当にシャッターを切った。
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