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「月雲さん!今日は神崎さんの誕生日なので、プロジェクトメンバーで簡単にお祝いしようと思うんですけど、お昼って時間あります?」
ぼーっとついつい考え事をしていると、突然男性社員に声をかけられる。
プロジェクト期間中はこのようなイベントを定期的にすることで団結力を深めていく。という方針のもと、声がかかるのだ。
「今日?…9月…そういえば、そんな時期だっけ」
付き合っていた期間中はお互い仕事が忙しく、誕生日どころではなかった。
美玲に、プレゼントもないなんて変なカップル!と異質なものを見るような目で見られたっけ…。
「うん。参加します。」
「良かった!じゃあ、ケーキとプレゼント代また徴収しますね~」
「了解。ご苦労様、ありがとうね?」
「あ、いえ!…神崎さん、仕事もできてかっこいいし、個人的にもお祝いしたいくらいなので♪」
あれほど無愛想な男ではあるが、先輩後輩上司問わず、人気は高い。
熱すぎず冷めすぎず、彼の適度な温度感は誰もが望むほど良さがあるのだろう。
ーーなるほど。自動販売機の感じね!
と、1人で納得をし、パソコンに向き直った。
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