20人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな取り留めのないことを考えながら保健室へと向かう。
外はもうすぐ冬を迎えようかと、北風の冷たさも増していた。
ーー寒っ… …
途中、外の渡り廊下にさしかかった所で、見慣れた横顔を見つける。
ーーぁれ… …カズ?
寒空の下、あまり人通りのない校舎の影。
古びた部活のロッカーなどが無造作に重ねられた一角に、一斗が独りでしゃがみこんでいた。
ーー・・・ー何してんの?あんな所で
声をかけるには蘭のいる場所からは少し離れているため、果たせない。そのため一斗の行動をじっと見つめる。
何やら古びたロッカーに向かって…
ーーん〜?話しかけてる?・・・何やってんの?マジで
一斗の怪しげな行動を訝しがりながら、それを見つめる自分も怪しいかもしれない…という思いには至らず、一斗の行動を見守った。
最初のコメントを投稿しよう!