プロローグ

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夢の中にはお土産屋さんで出会った子犬みたいな女の子が出てきた。 その子犬みたいな女の子はわたしに微笑みかけてきた。うふふ、あははと女の子は笑っている。 一体何が可笑しいのよとわたしはその女の子をじっと見た。 すると、その子犬みたいな女の子が「うふふ、クマ柄の可愛らしい財布ですね。中川さんのイメージと違いますね」と言ってクスクスと笑った。 これは夢であるとわたしは分かっている。 「わたしにクマ柄の財布は似合わないですか?」 分かっているのに同じことをまた聞き返してしまった。 子犬みたいな女の子は「クールなイメージの中川さんがクマ柄のお財布を持っているのがなんだか可愛らしいなと思ったんですよ」 そう答えて無邪気な笑顔を見せた。 何故、この子犬みたいな女の子の夢を見るのだろうか? そんなことを夢の中で考えていると、 「英美利、朝だぞ~起きろ。ヨダレ垂らして寝ているのか~」 とわたしを呼ぶ浜本のうるさい声が扉の向こうから聞こえてきた。
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