プロローグ

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わたしは目が大きくてクリクリッとしている子犬みたいな女の子の目をじっと見つめてしまった。子犬みたいな女の子もわたしの目をじっと見ている。 目と目が合いなんだか不思議な気持ちになった。 「英美利さん、お疲れ様です」 スタッフの野口(のぐち)さんがお茶のペットボトルを差し出した。 「あ、お疲れ様です。ありがとう」 わたしは野口さんからお茶のペットボトルを受け取り視線を子犬みたいな女の子がいた方向に戻したのだけど、その子犬みたいな女の子の姿はそこにはなかった。 まあ、いいか。わたしはペットボトルのお茶を飲んだ。温かいお茶に心がほわほわとして落ち着いた。 さてと、そろそろお昼の時間だ。今日のロケ弁が楽しみだ。お腹が空いてきた。
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