プロローグ

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そう、わたしの叫び声は愛嬌のある少し高めの声になっていていつもの澄んだ自分の声と違っていたのだから。 これは変だ。絶対に何かがおかしい。 それに、わたしの澄んだ綺麗な叫び声も聞こえてきた気がする。 そうなのだ、わたしのよく通る声が……。 え!! やっぱり聞こえてきたではないか。 「あの……すみません」 わたしの声がすみませんと言っている。ちょっと嫌な予感がするので顔を上げたくない。だけど、この声の正体を知りたくてわたしはゆっくりと顔を上げた。 「わっ、わ、わーーーーー!!」 わたしは目の前にあるその顔を見て腰を抜かしそうにはなった。 これは一体どういうことなのだろか? だって、こんなことはあり得ないのだから。 「あの……わたしもびっくりしました」 どうしてそんな落ち着いた声で話せるのよ。だって、これはとんでもないことでしょう。
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