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第一章 わたし英美利は平凡な女の子と入れ替わってしまいました
わたし、中川英美利は誰かと体が入れ替わってしまったのだろうか?
だって、わたしの目の前にはわたし中川英美利がいるのだから。
ということはこのわたしはどんな姿になっているのかなと考えると恐ろしくて、このとんでもない現実から逃げ出したくなる。
「……あの、わたし達は入れ替わってしまったのでしょうか?」
そんなことをわたしの顔で聞かないでほしい。
「そ、そうみたいだよ……」
「……やっぱり……わたしはどんな姿になっていますか?」
わたしの顔は心配そうに眉間に皺を寄せた。その表情はとても美しかった。やっぱりわたしは美人で可愛いのだと思うと嬉しくて感動した。
なんて、わたし中川英美利の美しさに感動なんてしている場合ではないのだ。今は緊急事態なのだから。
「あのすみません。ニヤニヤ笑ったりヒクヒク顔になったりコロコロ顔が変化していますがどうされたんでしょうか?」
「……なんですって! だって、このわたしが中川英美利じゃない誰かになっているなんて緊急事態なんですからね!」
わたしは大声で叫んだ。
「えっ! それって……まさか」
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