プロローグ

5/17
前へ
/132ページ
次へ
うふふ、たこ焼き味のじゃがりこでしょう。それから、うわぁー関西限定のスナック菓子がたくさんあるではないか。あ、たこ焼きせんべいもあるじゃない。 どうしよう。お土産屋さんの棚に並べられたお菓子を眺めていると全部買いたくなってしまうよ。よし、全部買っちゃえ。なんてわたしはウキウキしながら買い物かごにお菓子をぽんぽんと入れた。 「中川英美利がお菓子を買いまっくているよ」 「うわぁ~英美利ちゃんの買い物かごお菓子でいっぱいだよ。美人もスナック菓子を買うんだね」 なんて声がちらほら聞こえてくるけれど気にしないもんね。わたしは買い物かごいっぱいのお菓子を眺めて幸せな気持ちになった。 「おい、英美利。買いすぎだぞ」 「浜本、うるさいわね」 振り返ると浜本が呆れたような顔つきでわたしの顔をじっと眺めていた。わたしがせっかく幸せな気持ちになっているのにそれをぶち壊すのだから嫌になる。 「俺はその荷物持たないぞ」 浜本はわたしの持っている買い物かごを嫌そうな顔で見ている。 「浜本はごちゃごちゃ言わないでわたしの荷物を持つんだよ。わたしのマネージャーでしょう」 「はぁ? 知るかよ。俺はお前の荷物持ちと違うからな」 「あ、そうですか~意地悪な男だよね。それからお前って呼ばないでくれるかな」 「意地悪な男で結構。っていうかなんで俺は英美利のスーツケースを持っているんだよ」 浜本は納得のいかない顔でブツブツ文句を言っているけど知りませんよーだ。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加