新郎の友人2、隆晃

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確かあれは、納品まであと一週間を切っていた頃だったと思う。残業して最後の仕上げと確認作業をするために、一人会社に残っていた時だった。そこに並べておいた企画書を手に取り、和哉は俺に声をかけた。 「へえ、お前は今こういう仕事してんだ。相変わらず隆晃は、チマチマした地味な仕事が好きだな」 「仕事に地味も派手もないだろ。どんな仕事でも確実にやり遂げる。それが俺のモットーだよ」 「はは、隆晃らしいな。まあ、せいぜい頑張れよ」 何も言わずに缶コーヒーを置いていくところは、和哉っぽいよな。かっこつけやがって。 ただ、そのあとに発注ミスが起こった。俺の不注意による確認不足だったのだろうか。 それは一枚の書類が失くなっていたことが原因だった。まずはことの発端を探るより、取引先への謝罪と対策を試み奮闘を重ねた。 和哉もいろいろと手を尽くしてくれたようだ。そのお陰なのか、大きな失敗にもならず無事に終えることが出来た。
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