新郎の友人2、隆晃

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新郎の友人2、隆晃

「和哉、おめでとう」 俺は、和哉の同僚の隆晃(たかあき)。 和哉とは一つ違いの同期入社の仲だ。俺は中途採用だったせいか、始めのうちは周りの人と少し距離をおいていたが、一歳年下の彼は、そんなことを気にさせないほど大人びている。 仕事では小心者の俺は、繊細で地道なプロジェクトを任され、和哉は大胆で奔放な企画を提議した。 俺とは正反対の性格だったが、意外と気が合った。好きな音楽や好きな映画、好きな女の趣味もそうだ。 和隆コンビ、なんて周りからよくもてはやされてたっけ。俺達はよき戦友でもあり、よきライバルでもあった。 ある時、俺は一度だけ仕事で大きなミスをしたことがある。会社の信頼に欠けるかもしれない、取引先との連絡ミスをしてしまったのだ。 ずっと大事に取り組んできたのに、丁寧に仕上げてくれると先方も喜んでくれていたのに、俺は油断していたのかもしれない。
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