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「っ…!」 何かが聞こえたような気がしてナターシャはハッと振り返った。 しかし、後ろには誰も居らず前を歩いていた先生に心配をかけてしまった。 「何かあったか?」 「いや、何でもないですよ」 そうは言ったものの声は段々と大きくなっていく。 先生の背中を見つめ、冷静になろうとするが 聞こえてくる声は頭にガンガンと響いてくる。 「先生!ここで待っててください!」 そう言うが早いか私は走り出していた。 「おい!ちょっと待て!」 先生の声が後ろから聞こえていたが振り向かずに駆け続けた。 振り向いたらこの頬に流れた悲しみの象徴を言及されてしまいそうだったから。
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