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 しばらくすると、地方からも人がやって来るようになっていた。  無論、日帰りというわけにもいかないので、地方からわざわざ足を運んでくれた者はビルの一室に泊まってもらうことにする。 「宿は別に取るので構わない」という者も多かったが、やはり中には貧乏人もいた。家庭で酷い虐待に遭い、家出同然で飛び出してきた少年少女も多かった。彼らは家に帰ることなく、都会に住み着いた。  有志を(つの)って、私の手伝いをしてくれる者まで現われた。  気づくと組織はどんどん大きくなっていく。もはや、私の手に負えるしろものではない。誰か管理する者が必要だった。
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