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子供の頃からずっとそうだった。人に関心の持てない子だった。
「何が楽しくて生きているの?」と、よく問われた。
私自身、何が楽しくて生きているのかよくわからなかった。いつ終わっても構わない人生だった。
それが、ある日を境に変化した。地中に潜っていた幼虫が地上に這い出て木に止まり羽化するがごとく。私はセミだったのだ。
きっかけは男。男を知った瞬間、人生の意味も知った。男に抱かれている時だけは「生きている」という実感を持てた。それ以外は全て無に等しい。
会社に通い、働き、金を稼ぐ。全ては快感のため。心の底から安堵できるわずか数時間のために、残り全ての時間がある。睡眠すら私を満足させてはくれない。私を満たしてくれるのは、体の中に別の生き物を受け入れている行為のみ。
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